医療費が返ってくる？！医療費控除とは
医療費控除とは？
医療費控除とは、１年間（1月1日〜12月31日）にかかった医療費が、一定額を超えた場合に、確定申告をすることでお金が返ってくる仕組みです。
一定額とは、保険金など補てんされる金額を加味した上で、10万円を超えている場合のことです。以下の計算式で算出します。
実際に支払った医療費の合計額ー①保険金などで補てんされる金額ー②10万円
①は、具体的には、入院費給付金や、高額療養費・出産育児一時金などのことです。
自身の医療費だけでなく、生計を共にする家族の医療費も含めた総額で一定額を超えていれば控除の対象になります。保険適用外となる妊婦検診や出産費用も対象です。
妊娠・出産でかかった費用は医療費控除の対象！
妊娠・出産にかかった費用のうち、以下のような費用は医療費控除の対象となります。
- 妊婦してからの検査・定期検診・通院費用
- 入院・分娩費
- 不妊治療にかかった費用
妊娠・出産以外の医療費や、他の家族の医療費も合算できるので、ちりつもで意外と10万円を超えてきます。
超えないんじゃないの？と思っても、一旦は、医療費控除を利用することを見据えて、初回検診時から領収書はしっかり保管しておくことをおすすめします。
私自身も、超えないんじゃないの？wと思っていましたが、切迫早産など想定外の入院が発生して、余裕で超えました….！
医療費控除で戻ってくる額はいくら？
医療費控除は、かかった医療費に応じて、所得税や住民税を下げる形で、お金が戻ってくる制度です。そのため、所得によって、戻ってくる金額が異なります。
実際の例を紹介します！
具体例：以下の場合、医療費控除ではいくら戻ってくるのか？
- ①年収： ５００万（世帯年収ではなく、個人年収）
- ②出産費用：６２万円
- ③妊婦定期検診等、出産以外にかかった費用：８万円
- ④妊娠・出産以外にかかった医療費：５万
- ⑤出産育児一時金：４２万円
- ⑥入院給付金：１０万
医療費控除の対象額は、
実際に支払った医療費の合計額ー保険金などで補てんされる金額ー10万円＊
で求められるので・・・
（実際に支払った医療費の合計額②６２万＋③８万＋④５万）ー（保険金などで補てんされる金額⑤４２万＋⑥１０万）ー１０万
＝７５万ー５２万ー１０万
＝１３万
よって、医療費控除額は、１３万円です。
次に、いくら戻ってくるか（＝還付額）を計算します。
還付額の計算式は、医療費控除額×所得税率で、年収５００万円の所得税率は２０％です。
１３万円×２０％＝２６０００円
よって、医療費控除によって手元に戻ってくる金額は、２６０００円となります。
＊ただし、その年の総所得金額等が200万円未満の方については、計算方法が少し違います。実際に支払った医療費から差し引くのが、10万円ではなく「総所得の５％の金額」になるのです。例えば、総所得金額等が150万の場合は、7.5万円ということです。
医療費控除の申請方法
医療費控除を受けるためには、確定申告をする必要があります。年末調整では申請できません…！年末調整後、翌年の2月16日から3月15日（確定申告期間）に確定申告をする必要があります。
医療費控除の申請時期
前述の通り、医療費控除の申請は、確定申告の際に行います。
確定申告は、基本的には所得が生じた年の翌年2月16日～3月15日（2020年分は、2021年の2月16日〜3月15日まで）に行うため、医療費控除の申請もこのタイミングで行います。
※医療費控除の申請は、5年前までさかのぼって申請することが可能です。
申請に必要なもの
医療費控除の申請に必要な書類は、以下５点です。
- 確定申告書
- 医療費の支払いを証明するための書類（領収書など）
- 医療費控除の明細書
- 源泉徴収票
- マイナンバーカードなどの本人確認書類
確定申告書と、医療費控除の明細書は、国税庁のサイトなどからダウンロードして用意する必要があります。
やや工数がかかりますが、特に出産・妊娠を経た年は医療費が高額になる上に、支出も増えるかと思いますので、頑張って書類を準備しましょう。（わたしも2021年の確定申告に向けて準備します…!!!）
私の医療費控除利用経験・戻ってきた額（予定）
我が家の状況は以下になります。夫婦のうち、年収が高い方で医療費控除を受けた方がお得なので、我が家の場合は旦那で申請予定です。
- ①2020年の想定年収：６５０万（旦那）
- ②出産費用：６２万
- ③妊婦定期検診等、出産以外にかかった費用：１２万円
- ④妊娠・出産以外にかかった医療費：３万
- ⑤出産育児一時金：４２万円
- ⑥入院給付金：なし
医療費控除の対象額は、
（実際に支払った医療費の合計額②６２万＋③１２万＋④３万）ー（保険金などで補てんされる金額⑤４２万）ー１０万
＝７７万ー４２万ー１０万
＝２５万
よって、医療費控除額は、２５万円です。
次に、いくら戻ってくるか（＝還付額）を計算します。
還付額の計算式は、医療費控除額×所得税率で、年収６５０万円の所得税率は２０％です。
２５万円×２０％＝５００００円
よって、医療費控除によって手元に戻ってくる金額は、５００００円となります。
結構大きい！ありがたい・・・。来年、申請頑張ります。
最後に
今回は、医療費控除についての記事でした。所得税・住民税・消費税など、税金はきっちり徴収されますが、戻ってくるお金は、自分で調べて申請しないと返ってこないんですよね・・・・
世知辛い世の中です。けど嘆いていてもしょうがない。
お金の知識を味方につけて、国の制度をしっかり利用して、もらえるお金はきっちりいただきましょう！
わたしも来年、確定申告して、医療費控除の恩恵を賜りたいと思います。
